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意見・主張
 
研究所通信266号より
掲載日:2000.10
提言

社会貢献度が高く、中長期的に成長が見込まれる企業に
投資をめざす社会貢献ファンド「あすのはね」ができる

中村清二(部落解放・人権研究所)

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 企業の社会貢献度を複数のファクターから総合的に評価する本格的な「社会的責任投資」(Socially Responsible Investment)ファンドが、はじめて日本でも誕生した。それが上記の朝日生命の「あすのはね」(愛称)である。

 基本的な理念として、企業が長期的に成長を続けるためには社会に貢献することが不可欠であり、「収益性」「競争力」の他に、「社会貢献度」を投資尺度に加えている。

 社会貢献度の調査は、外部調査機関である三菱総合研究所とパブリックリソースセンターが担い、環境、雇用、消費者対応、市民社会貢献度の4つの分野で実施される。各分野の主な調査項目は以下の通りである。

環境
環境配慮の社内体制、環境汚染、廃棄物の把握と対応、エネルギー消費の削減努力など(既発のエコファンドとほぼ同様)
雇用
女性・高齢者・障害者の雇用、勤務形態、能力開発、業績考課、育児・介護休業制度、人権・セクハラへの対応など
消費者対応
消費者意見の反映、PL(製造物責任)への対応、高齢者・障害者への配慮など
社会貢献
社会貢献の社内体制、社員ボランティア活動、地域社会との共生など

 アメリカでは、環境や人権に対する関心の高まりや1980年代の確定拠出年金401(K)の発展もあり、SRIは大きく広がり、1999年のSRI資産残高は2兆ドルを越えている。

 日本では、まだ始まったばかりであり、課題はいろいろあると思われるが、それは市民や社会が「倫理に取組む企業を評価し支援」していくという基本的姿勢の中で真に発展していくと思われる。

*詳細はホームページを参照ください。