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研究所通信、研究紀要などに掲載した提言、主張などを中心に掲載しています。

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意見・主張
  
2004年年頭にあたって

部落解放・人権研究所理事長 村越 末男

謹賀新年

  ますますの御清栄、御健勝をお祈り申し上げます。

  昨年は総選挙の結果民主党の大躍進がありましたが、自由民主党、公明党連立の小泉政権が続行し、日本国憲法の平和と人権の原理は根本的に破壊されかねない危機が現実化されようとしています。

  インド洋への補給艦の派遣やイラクへの自衛隊派遣により、日本の軍事国家と戦争への道を世界に示す状況がつくられようとしています。

  失業と低賃金、医療費の負担増、年金の支払い金は増大し、受けとる年金はカットされる。すべてが国民の低生活水準の強制となっております。消費税も近い将来引き上げられるでしょう。これが小泉政権の本質なのです。

  日常生活の中で報じられる、暴力、誘拐、窃盗、犯罪の数は激増しました。そうした社会的圧力の中で、年々三万を超す自殺者が生れています。正に弱い者は生きていけない日本の象徴となっております。

  こうした中で差別構造は消滅する筈はありません。部落差別をはじめ、あらゆる差別が根強く息づいているのです。

  一方、日本国憲法の下、主権在民の民主主義、平和・人権擁護を求めた国民の半世紀に及ぶ歩みの成果は大きなものがありました。部落解放、女性解放、国民の各層の自立自由の働きは大きな力を発揮しはじめております。

  小泉政権がねらっているのは、この国民の意識を歪め、成果を搾取し、抑圧し、観念的な言葉で誤魔化すことです。

  人権教育・啓発推進法や部落差別撤廃・人権条例などの成果を全面的に活用し、新しい教育の創造、人権のまちづくり、福祉、社会保障の増進、就職の保障等々を実現していくことが必要です。

  なお、2004年は、人権文化を世界中に築くことを目的とした「人権教育のための国連10年」の最終年にあたりますが、第1次の総括を踏まえた第2次「10年」がとりくまれるように、皆様とともに国連に働きかけて参りたく存じます。

  ことしもよろしくお願い致します。

2004年元旦

【総務部】

  第1次「人権教育のための国連10年」も残すところあと1年となりました。これまでの人権教育の取り組みをさらに強めるとともに、市民一人ひとりの人権意識を高めるため、第2次「10年」の実現を求めていきます。また、人権が尊重され、平和な社会の実現に向けて、共にがんばっていきましょう。

【啓発企画室】

加 藤:現代は「再教育の時代」(ドラッカー)、いまを感じる企画を!
松 本:2004年、新生啓発企画室に乞うご期待!!
小屋野:今年も自己解放を目指して邁進します!
松 阪:今年もよろしく。がんばります。
川 口:「喜怒哀楽」を感じながら今年も願生ります。

【研究部】

  新たに、<1>部落、日系ブラジル人、沖縄県出身者、などを対象にした若いフリーターのインタビュー調査、<2>企業の本業・専門性を活かした社会貢献と人権・部落問題の取り組み調査、「地域に開かれた学校づくり」と人権意識の変容調査、を始めます。

【図書資料室】

  新年あけましておめでとうございます。

  部落問題・人権関係図書・資料の専門図書館として情報収集を行っています。コンピューターで、所蔵図書データ、文献データをご自宅からでも検索できます。また、お電話による学習相談もお受けしております。本年もみなさんの一層のご利用をお待ちしています。

  検索される場合は、http:// blhrri.orgか、http://www. ribura.jpをご利用下さい。

【編集販売部】

  編集係と販売係がひとつになって早や2年。業務の連携により様々な相乗効果が生まれつつあります。今年の11月号で200号を数える月刊『ヒューマンライツ』を軸に、人権確立に向けて意義ある出版をめざしますので、本年もよろしくお願いいたします。