謹賀新年
ますますの御清栄、御健勝をお祈り申し上げます。
昨年は総選挙の結果民主党の大躍進がありましたが、自由民主党、公明党連立の小泉政権が続行し、日本国憲法の平和と人権の原理は根本的に破壊されかねない危機が現実化されようとしています。
インド洋への補給艦の派遣やイラクへの自衛隊派遣により、日本の軍事国家と戦争への道を世界に示す状況がつくられようとしています。
失業と低賃金、医療費の負担増、年金の支払い金は増大し、受けとる年金はカットされる。すべてが国民の低生活水準の強制となっております。消費税も近い将来引き上げられるでしょう。これが小泉政権の本質なのです。
日常生活の中で報じられる、暴力、誘拐、窃盗、犯罪の数は激増しました。そうした社会的圧力の中で、年々三万を超す自殺者が生れています。正に弱い者は生きていけない日本の象徴となっております。
こうした中で差別構造は消滅する筈はありません。部落差別をはじめ、あらゆる差別が根強く息づいているのです。
一方、日本国憲法の下、主権在民の民主主義、平和・人権擁護を求めた国民の半世紀に及ぶ歩みの成果は大きなものがありました。部落解放、女性解放、国民の各層の自立自由の働きは大きな力を発揮しはじめております。
小泉政権がねらっているのは、この国民の意識を歪め、成果を搾取し、抑圧し、観念的な言葉で誤魔化すことです。
人権教育・啓発推進法や部落差別撤廃・人権条例などの成果を全面的に活用し、新しい教育の創造、人権のまちづくり、福祉、社会保障の増進、就職の保障等々を実現していくことが必要です。
なお、2004年は、人権文化を世界中に築くことを目的とした「人権教育のための国連10年」の最終年にあたりますが、第1次の総括を踏まえた第2次「10年」がとりくまれるように、皆様とともに国連に働きかけて参りたく存じます。
ことしもよろしくお願い致します。
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