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意見・主張
 
研究所通信307号より
掲載日:2003.03.06
2003年度部落解放・人権大学講座
「部落史」ゼミナールコースが修了
特定のテーマに関して深く学びたい、平日の日中は仕事などで参加したいができない、という人びとのニーズに応えた部落解放・人権大学講座「ゼミナールコース」が2003年度より新たに開講され、昨年12月好評のうちに修了した。

ゼミは土曜日の開講で、全コマを通じて1人の講師に担当していただいた。

2003年度のテーマは「部落史」で、講師は中尾健次(大阪教育大学付属教育実践総合センター長)さん、部落史研究の成果を、中世から現代まで全12回にわたり通史的に学習、とくに近年の研究成果ともいえる「起源論」「部落の生産と労働」等については、その論争点も含めて詳しく学習した。

このゼミでの講義の方法は、ビデオや史資料をできるだけ多用し、質疑討論を交えながら進めていった。また、当初予定には入っていなかったものの、講義内容をより深めるために、フィールドワークとして浪速地区の「人権太鼓ロード」「太鼓づくりの実演・体験」なども行い、その模様はMBSの番組「ちちんぷいぷい」でも紹介された。

ゼミの参加者は約20名で、大阪をはじめ三重や兵庫、和歌山などからの参加もあり、職業も企業、行政、教育関係など多様な構成となった。

また、講義後には、講師の中尾先生を囲んで懇親会を催し、さらに議論を深めたり、受講生同士の交流も深めていった。

さらに、講座修了後、受講生から年に一度でもいいから、その後の部落史研究の動向や疑問などにも応えていけるように、フィールドワークや学習会などの同窓会活動を行うことなどが決められていった。

2003年度のプログラムは下記の通り。

  1. 部落問題とは
  2. 中世の村落とよそ者排除の習慣
  3. ケガレ意識と職人技術
  4. 城下町の建設と治安対策
  5. 被差別部落の労働と生活
  6. 近世の身分制度をとらえ直す
  7. 「解放令」とその後の生活変化
  8. 浪速地区のフィールドワーク
  9. 部落改善運動・全国水平社とその活動
  10. 戦後の部落の生活と解放運動の再生
  11. 「同和事業」のはじまり
  12. 「まとめ」と「ふりかえり」

なお、2004年度については「人権ワークショップ」をテーマに「ゼミナールコース」が開催される予定で、後日の開催要項で詳細が紹介される。