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2004.06.16
意見・主張
  
主張

「人権教育のための国連10年」の総括を踏まえ、「人権教育のための世界プログラム」に連帯した取り組みの創造を!!

友永 健三(部落解放・人権研究所所長)

  去る4月21日、スイス・ジュネーブで開催されていた国連人権委員会で、本年末終了する「人権教育のための国連10年」(「国連10年」)のフォローアップとして、「人権教育のための世界プログラム」(「世界プログラム」)が2005年1月から開始されることを求めた決議が採択された。

  「国連10年」は、世界中に人権文化を構築し、平和と民主主義が実現された21世紀を創造することを目指して取り組まれ、いくつかの成果を上げてきた。とりわけ、日本では、部落解放運動や同和教育運動に取り組む人びとの働きかけの結果、2000年12月には「人権教育及び人権啓発に関する法律」が公布・施行されたし、国はもとより600を超す自治体で推進本部が設置され、行動計画が策定された。

  しかしながら、世界的に見たとき、「国連10年」に連動した取り組みを実施した国は国連加盟国の4割程度にとどまっているという問題がある。また、日本においても、全ての分野で人権教育が取り組まれるところまでには至っていない。例えば自治体レベルの取り組みでも5分の1程度にとどまっているし、取り組みが行われてきたところでも計画倒れになっているところも少なくない。2002年10月に発覚してきた名古屋刑務所問題に象徴される公権力に従事する人びとによる人権侵害も後を絶たない。

  「世界プログラム」の特色は、人権教育がすべての国で取り組まれるために、重点目標を絞り込んだ計画を積み上げていくことにある。その第1段階としての2005年から2007年までの3年間は、初等・中等教育での人権教育に重点を置くこととされていて、具体的な内容は、本年12月、国連総会に提案されることとされている。

  今後、あらゆる分野で、「国連10年」の総括を踏まえ、「世界プログラム」に連動した取り組みの創造が求められるが、その際少なくとも以下の諸点を抑える必要がある。

  1. 早急に「国連10年」に基づく取り組みの総括を行うこと。
  2. あらゆる分野で「国連10年」の総括を踏まえ「世界プログラム」に連動した人権教育のための計画を策定すること。
  3. とりわけ、初等・中等教育での人権教育の推進に力を入れること。

※なお、人権教育のための世界プログラムについて詳しくは月刊『ヒューマンライツ』6月号を参照されたい。