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2004.07.23
意見・主張
  
経済産業省「企業の社会的責任に関する懇談会」が
中間報告書(案)をまとめ、パブリックコメントを募集しています。
 経済産業省が2004年4月に設置した「企業の社会的責任(CSR)に関する懇談会」は、さる7月15日の第4回会合で、中間報告書(案)を取りまとめました。この案について、各方面からの意見を反映させるために、パブリックコメントが募集されています。募集期間は8月9日までとされています。

 多様なステークホルダーの意見を反映することが、CSRの発展にとって極めて重要である、との基本的な立場からすれば、この募集に積極的に応じることは、極めて重要であるといえます。募集ページに、中間報告書(案)のファイルが公開されていますので、ご関心のある方は是非ご覧になり、お気づきの点について積極的に提言されることをお勧めします。

 とりわけ、人権尊重の観点からは、次のような見解がありえるように思います。

□意見箇所―「6.今後のCSRへの取組みの促進策についての考え方」
□意  見

 「一過性のブームにしないことが重要」とあるように、そのための促進策は重要です。したがって、促進策として、大阪府や東京都千代田区が既に取組んでいるような「入札に際しての総合評価制度」を検討し、障害者雇用や男女平等、環境問題などに誠実に取組んでいる企業を支援していく行政的施策が必要ですし、行政責任でもあると考えます。

□意見箇所―「6.今後のCSRへの取組みの促進策についての考え方」

□意  見

 CSRの取り組みを促進していくための施策として、環境省が既に示したような環境報告書のガイドラインのように、CSR報告書のガイドラインを作成することが検討されるべきだと考えます。このことによって、CSRの取組イメージを具体的に示せるし、CSR報告書の内容の統一的形式を示すことで、報告書の比較もしやすくなり、より一層企業の取組の透明性が増すと考えます。

□意見箇所―「4.我が国におけるCSRへの取組上の課題」「(3)自主的取組の重要性」
□意  見

 部落差別につながる身元調査(個人情報の侵害)や就職差別といった、反社会的行為であり、かつ規制する法律が不十分な課題があり、こうした性格の課題に対しては、「企業の自主的取組み」に委ねるという考え方では全く不十分です。

 国際的にも雇用関係の差別を規制する法律を持っている国は多く、ILO111号条約の批准も100カ国を越しています。

 したがって、全てを企業の自主的取組みに任せるという考え方は取らないこと、どのような課題が自主的取組みに委ねられ、どのような課題に規制が必要かというすみわけの基本的考え方を明確にすること、が必要です。

 ■ 経済産業省ホームページ
 ■ 「企業の社会的責任(CSR)に関する懇談会中間報告書(案)」
 ■ 「企業の社会的責任(CSR)に関する懇談会中間報告書(案)」に対する意見募集について