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2005.11.16
意見・主張
  
関西学長、人権・同和問題担当者懇談会を開催

 関西学長、人権・同和問題担当者懇談会が2005年10月15日、大阪人権センターで開催された。

 第一報告は、「日本の大学における人権教育について」をテーマに、関西外国語大学教授の加藤昌彦さんよりなされた。

 大学における人権教育の歩みを概観すると、1950年代、60年代において、部落問題が開拓者的な役割を担い、部落問題論、同和教育論が開講された。70年代女性差別問題、80年代障害者差別問題での運動の展開は大学にも反映し、カリキュラム、研究機関の創設を見た。1997年度女性学関連科目を開講中の大学・短大は345校で全国の大学・短大の28.9%である。部落問題では1997年度の文部省調査によれば、同和教育や部落問題論科目を提供しているところは、576校中228校で39.6%である。

 関西外国語大学の2005年9月の「人権問題論」での調査では、学生が知りたいと思っている人権課題が多様化していること、「同和教育を学校で受けましたか」という質問に対して、小学校時代52.7%、中学校時代45.9%、高校時代22.3%であったが、同和教育を受けたという学生の割合が年々減少傾向にあることが明らかとなっている。

 1995年から始まった「人権教育のための国連10年」をうけて、2005年1月から「人権教育のための世界プログラム」がスタートした。大学において人権教育に取り組む当面の課題として、(1)全国の大学の人権教育の実態調査、(2)人権教育、人権問題論の必須化、(3)人権担当の教員・職員の配置、調査・資料収集・提言のできる独立した人権研究・教育機関の設置、(4)非常勤講師の身分保障、(5)大学入学志願者にたいする差別の完全撤廃、(6)大学の施設等の完全なバリアフリー化、(7)野放し状態に近い大学卒業生の就職差別の撤廃、(8)きめ細かな奨学金制度の確立、(9)日本人権教育学会の創設、(10)国際人権大学院大学の創設、(11)人権教育専門の図書および教材センターの設置、(12)人権教育についての本格的な国際交流、国際的な学会の創設、(13)文部科学省や大学関係機関による大学人権教育についての積極的な方針などの課題が残されており、今後取り組んでいきたいと報告がなされた。

 続いて、第2報告は、「写真で見る戦後60年〜部落解放運動の歩み」をテーマに、部落解放・人権研究所の友永健三所長よりなされ、意見交換をおこなった。

(文責:本多和明)