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2005.12.14
意見・主張
  
研究所通信328号より
狭山集会に参加して ― 再審と無実と求めて

文責:小森 恵

10月末、狭山事件の再審を求めたとりくみが狭山市で行われました。29日の市民会館での討論集会には約430人、30日の入間小学校跡地の市民集会には約3,000人が全国から集まり、来年5月に向けた第三次再審請求への決意をあらたにしました。両会場でマイクを通して聞いた声をここにご紹介します。

29日(討論集会):「3月にずさんな棄却決定がされた。19通の専門家の鑑定書や20通の弁護団報告書にもかかわらず、“自白”だけで決定されている。“兄さんを助けるために10年なら我慢しよう”と自白させられたことを合理的に説明する必要がある」中山武敏主任弁護人。

 「私は石川さんと同じ年だ。彼が刑務所にいたとき『自分は何もしなかった』という思いから今やっている。運動は40年以上続いてきた。『まだやっているのか』と言われてもやり続けよう。解放同盟からいろんな集会に出かけて行き、狭山を軸に運動の裾野を広げてほしい」鎌田慧さん。

 「部落差別とは何か?犯罪者にも仕立てあげる差別なのか。こうした市民集会を通して、闘いの主体を再構築して行こう」松岡徹部落解放同盟中央書記長。

 「真実と人権を愛する裁判官が出てくることを忍耐強く待つ。真実は必ず証明される」庭山英雄弁護士。

 フロアより「冤罪の構造が日本にある。この構造を破る必要がある」「他にも冤罪事件がある。狭山事件と共通する部分があるので、それら事件の支援活動と共闘しよう」「石川さんに日常的に声かけや手紙書きをして、精神的に支えていこう」。

30日(市民集会):「21歳の時、この町で恐ろしい事件が起きたことを覚えている。狭山市も42年間この裁判のことを忘れたことはない」仲川幸成狭山市長。

 「最初に最高裁に提出したとき、野間宏さん日高六朗さんたちと一緒に行った。3回行った。裁判長は形式主義で手続のことしか関心がないようだ。棄却の度にがっかりするが、このままで通るわけにはいかない。さらに多くの署名を集めて裁判所につきつけよう」針生一郎さん。

 「国家権力に翻弄された一人の人間のくやしさを、皆で力を合わせて国家にしらしめよう。ごて続けよう」中山千夏さん。

 「豊かな土地狭山で育った石川さんが権力に拉致された。石川さんをとり戻そう」前田賢治映画監督。

 「今日の天気は私を味方してくれている。天も味方してくれている。だが司法は味方してくれていない。自分の正道を通れる道作りを皆さんに手伝ってもらいたい。第三次で無罪を勝ちとりたい!」石川一雄さん。

集会の後、参加者全員で狭山市役所までマーチを行い、地元の人々に支援を訴えました。