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2007.10.26
意見・主張
  

第32回部落解放・人権西日本夏期講座を開催しました。

 第32回部落解放・人権西日本夏期講座を7月18日と19日、愛媛県松山市の県民文化会館で開催しました。約3000人が受講されました。主催は、部落解放・人権研究所、愛媛県人権対策協議会、部落解放同盟愛媛県連合会で構成した「第32回部落解放・人権西日本夏期講座実行委員会」です。

 主催者あいさつののち、来賓の加戸守行さん(愛媛県知事)が、「人のこころのなかには差別や偏見の心情、鉄の鎖が残っている、鎖を一つずつ外し、美しい未来をめざして講座が大きな役割を果たすよう」(地元紙から)と述べられました。

 1日目は、県民文化会館メインホールとサブホールの2会場に分かれて講演が行われました。メインホールでは、オープニングとして、伊予万歳双葉会が松山市指定無形文化財の「伊予万歳」を披露されました。続いてイーデス・ハンソンさん(アムネスティ・インターナショナル日本特別顧問)が「いま、あらためて人権を考える」、炭谷茂さん(日本ソーシャルインクルージョン推進会議代表)が「これからのまちづくりと人権」と題して、またサブホールでは白石理さん(アジア・太平洋人権情報センター所長)が「21世紀の社会と人権」、平沢安政さん(大阪大学人間科学研究科教授)が「これからの人権教育・啓発を考える」をテーマに、それぞれ今日的な人権問題の取組みのあり方について講演していただきました。

 2日目はメインホールにおいて、講演とパネルディスカッションを開催しました。江口徹子さん(愛媛県人権対策協議会副会長)は、「先人の遺産の学び、未来へ繋ぐ私たちであるために」と題してみずからの被差別体験や解放運動との出会い、そしてこれまで取り組んでこられた運動を紹介され、「ふるさと」が誇り得るものでありたいと訴えられました。

 その後、パネルディスカッション「人権確立社会にむけた部落解放運動の役割」が、友永健三さん(部落解放・人権研究所所長)のコーディネートでおこなわれ、パネリストの組坂繁之さん(部落解放同盟中央執行委員長)、炭谷茂さん、川口泰司さん(山口県人権啓発センター事務局長)が、それぞれの立場から、部落解放運動が今日まで果たして来た成果や、今後のとりくみをすすめていく上での課題や問題点を語っていただきました。

 なお、同夏期講座の直前に新潟県中越沖地震があり、会場ロビーで支援カンパにとりくみ、計102,247円のカンパをいただき、新潟県災害対策本部に送金しましたことを、ここにご報告いたします。(文責:事務局)