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2008.10.29
意見・主張
  

第39回 部落解放・人権夏期講座を開催しました。

 今年の8月20日から22日にかけて、和歌山県の高野山において、第39回部落解放・人権夏期講座が開催されました。1日目は、高野山大学の松下講堂・黎明館と高野山会館に別れて全体講演が行われました。

 松下講堂では、静岡県立大学の星野昌裕先生より、「中国の少数民族政策とチベット問題」と題して、チベット問題の背景にある中国の少数民族政策についてご紹介いただきました。

 また、部落解放同盟大阪府連合会執行委員長の北口末広さんは、「部落解放運動がめざすべき方向」と題して講演されました。部落差別の実態や、それを取り巻く国内外情勢、さらには高齢化や意識のギャップなどといった運動内部の環境の変化を検討しながら、部落解放運動の目標として、差別をなくする社会システムをいかに構築するか、限られた人材と財源で、いかに人の関係性を変える政策を打ち出すかが重要であるとしました。

 2日目は、5会場に分かれて、課題別講演が行われました。その後、夜7時から、と場の仕事と、そこで働く人々を正面から描いたドキュメンタリー映画「にくのひと」を上映し、その前段に、制作された大阪芸術大学の満若勇咲さん、そして取材先の加古川食肉産業協同組合の中尾政国理事長が解説されました。

 3日目は、松下講堂において、株式会社ウィンドファーム代表取締役の中村隆市さんより、「環境と人権 いのちを大切にする仕事」と題して、これまでの活動、とりわけ水俣病の記録映画の撮影、生協職員としての有機農業の普及、フェアトレード、有機農業の世界的な普及、スロービジネス、放射能汚染問題の取り組みなど、広範にわたる活動をご紹介されました。

 なお、これらの講演については、後日公刊される報告書で詳細に紹介される予定です。

(文責:李嘉永)