3月9日、社団法人部落解放・人権研究所(寺木伸明理事長)の第69回総会が大阪市内で開催され、改革方策が承認されました。
第1部の総会では、第1号議案で、理事会を中心に議論を重ねてきた「部落解放・人権研究所改革方策(案)」が提案されました。改革方策(案)は、「研究所のおかれている状況認識」、「研究所の役割と課題」、「研究所の運営のあり方について」、「研究所経営の基本方策」、「研究所の使命遂行及び財政再建を展望した新たな取り組みへのチャレンジ」、「研究所体制についての改革方策」等、8つの柱立てからなり、今後の研究所の方向が打ち出されました。
第2号議案「2009年度事業計画(案)」ならびに第3号議案「2009年度予算(案)」では、直面している財政的困難に対処するため従来の事業の見直し・縮小と、職員数の縮小ならびに賃金の削減の一方、積極的な運営方針として、事務局体制については従来の5部局から「総務部」、「企画・研究部」、「啓発・販売部」の3部局に再編するとともに、企画・研究部のもとに新たに「リエゾン(連携)センター準備室」が設置され、2010年度のセンター開設を目指していくことが提案されました。また、企画・研究部に再編された図書資料室については、他の人権関係団体等と協議し、「仮称・人権関係図書資料センター」の開設に向けて議論を進めていくことが提案されました。第1号議案の改革方策に則った具体化の推進が提案されました。
第4号議案「2009年度体制(案)」では、とくに運営体制について、友永健三理事の所長退任とともに、中村清二理事が新たに設置された事務局長に就任、日常業務を統括することが提案されました。あわせて、所長職については当面寺木理事長が兼務していくこと、友永所長については引き続き研究所理事を務めていくことも提案されました。
この他、昨年12月1日にスタートした新しい公益法人制度への移行の議論と手続き準備の推進や、昨年末に依頼した「社団法人部落解放・人権研究所創立40周年記念出版事業および財政基盤強化のためのご協力のお願い」の協力に対するお礼等も報告、提案され、質疑の後、すべての案件が承認されました。
また、第2部ではこの3月31日付で部落解放・人権研究所所長を退任された友永理事から「部落解放と国際連帯」と題した記念講演が行われました。
(文責:松下龍仁)
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