寺木伸明新理事長 就任あいさつ
ただいまこの総会で選任されました、新理事長の寺木でございます。新役員を代表しまして、一言ご挨拶を申し上げたいと思います。私は、専門は日本史、その中でも近世史でございます。
近世史の中で、部落の歴史を中心に研究をしたわけでございますが、私どもやっております時代は、古い時代でございますので、例えば、部落問題に関連して、豊臣秀吉とか、徳川家康を批判しましても、名誉毀損で訴えられることはないという、気楽なところをやっておりますこともあり、少し私自身、浮世離れしているところがあろうかと思います。
その点で、部落解放・人権研究所のような大事な研究所の理事長には、現実感覚のある、優れた人に本来なって頂くはずでございますけれども、結局、私が引き受けざるを得なくなった次第でございます。
私はそういうことで、全く気が弱いものでございますが、また、企画力とか、あるいは決断力に欠けるところがございます。ただ、私には、多少の調整力、そして持続力、根気がございますので、新しく理事になられた方々、そして元から理事になって頂いております方々、さらに、会員の皆さまにアイデア、企画をどしどし出して頂きまして、それらを調整させて頂いて、いいものを実行に移していきたいと考えております。
今回退任されました先輩の理事の方々には、大変、お世話になりました。私が大学院生のときに、大学院で差別事件がおこりました。それをきっかけに、部落解放研究所と関係を結ぶことができました。その時には、今回退任されます理事の方々は、本当に若くて、今もお元気ですけれども、もっと元気でいらした。
村越さんは、「部落解放運動の坂本竜馬」といわれたぐらい、お元気に活躍しておられました。そういう中で、皆さんに教えられて、今日まで来たわけです。こうした先輩のご苦労、ご尽力に、心より感謝を申し上げたいと思います。
こうして得られた先輩方の努力の賜物、これを大事にしながら、新しい時代の人権問題、特に部落問題について、「人権問題の啓発、研究、教育の羅針盤」となれるように、従来からおられる理事の皆さんも含め、新しい体制で頑張って参りたいと思いますので、今後一層のご支援、ご協力の程を宜しくお願い申し上げます。
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