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研究所通信、研究紀要などに掲載した提言、主張などを中心に掲載しています。

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2005.08.15
意見・主張
  
新旧理事長 あいさつ
2005年6月28日 研究所総会より

村越末男前理事長 開会あいさつ

 世界中が、この21世紀に、また戦争で揺れ始めた感があります。その中で、日本は非常に健康に、すくすくと育つかに見えましたけれども、やはり戦争の風が悪く影響いたしまして、自衛隊の派遣という具体的な危険を伴いながらも、国民全体が心配をする状況でございます。

 部落問題を中心とする、マイノリティに対する日本の差別状況というのは、そういう悪い歴史にまつわり、だんだんと悪質な差別事件が惹起しております。そういう中で、子どもたちが殺人を犯す。ついには親を殺す。自らもまた、殺されるというような、様々な悲劇が日本に巻き起こりました。

 我々は、差別の状況を考えたときに、絶対にこのままでは幸せになれない。平和で、豊かな国を作り上げることはできない。こうした悲劇的な感想もだんだんと篤くなってまいります。

 そうした中で、研究所は、皆さまが非常に善意ある支援を致して下さいまして、誕生して37年の歴史を保つことができました。今後ともどうか、研究所の発展のために、いろいろなご支援、ご指導を賜りたいと思います。

 実は私、今期を持ちまして、理事長を引退いたします。本当に長い間、お世話になりました。しかし、日本の市民である限り、日本の発展のために、平和のために、私たちはできる限りの努力を続けてまいりたいと思うわけでございます。

 最初の挨拶が、お別れの挨拶になりまして、まことに申し訳ございませんけれども、研究所に対するご愛情を、益々頂きたい。研究所に対するご指導を益々強化して頂きたい。何一つ遠慮のないご発言によりまして、はげまし、ただして頂きたいと存じます。宜しくお願いします。

寺木伸明新理事長 就任あいさつ

 ただいまこの総会で選任されました、新理事長の寺木でございます。新役員を代表しまして、一言ご挨拶を申し上げたいと思います。私は、専門は日本史、その中でも近世史でございます。

 近世史の中で、部落の歴史を中心に研究をしたわけでございますが、私どもやっております時代は、古い時代でございますので、例えば、部落問題に関連して、豊臣秀吉とか、徳川家康を批判しましても、名誉毀損で訴えられることはないという、気楽なところをやっておりますこともあり、少し私自身、浮世離れしているところがあろうかと思います。

 その点で、部落解放・人権研究所のような大事な研究所の理事長には、現実感覚のある、優れた人に本来なって頂くはずでございますけれども、結局、私が引き受けざるを得なくなった次第でございます。

 私はそういうことで、全く気が弱いものでございますが、また、企画力とか、あるいは決断力に欠けるところがございます。ただ、私には、多少の調整力、そして持続力、根気がございますので、新しく理事になられた方々、そして元から理事になって頂いております方々、さらに、会員の皆さまにアイデア、企画をどしどし出して頂きまして、それらを調整させて頂いて、いいものを実行に移していきたいと考えております。

 今回退任されました先輩の理事の方々には、大変、お世話になりました。私が大学院生のときに、大学院で差別事件がおこりました。それをきっかけに、部落解放研究所と関係を結ぶことができました。その時には、今回退任されます理事の方々は、本当に若くて、今もお元気ですけれども、もっと元気でいらした。

 村越さんは、「部落解放運動の坂本竜馬」といわれたぐらい、お元気に活躍しておられました。そういう中で、皆さんに教えられて、今日まで来たわけです。こうした先輩のご苦労、ご尽力に、心より感謝を申し上げたいと思います。

 こうして得られた先輩方の努力の賜物、これを大事にしながら、新しい時代の人権問題、特に部落問題について、「人権問題の啓発、研究、教育の羅針盤」となれるように、従来からおられる理事の皆さんも含め、新しい体制で頑張って参りたいと思いますので、今後一層のご支援、ご協力の程を宜しくお願い申し上げます。