まえがき

序章　水平運動における戦時的転換の歴史的意味

　はじめに

　第一節　一九三〇年代水平運動の基本的動向

1. 差別糾弾と生活擁護の重視
2. 戦争協力と国家的立場への移行

　第二節　水平運動と総力戦体制・社会運動

1. 総力戦体制の構築
2. 社会運動の後退

　第三節　水平運動と差別事件

1. 差別事件と対応
2. 軍隊関係差別事件の顕在化

　第四節　水平運動と部落民衆・部落内秩序

1. 部落民衆の生活悪化
2. 部落内秩序の変容

　第五節　水平運動と融和政策・融和運動

1. 融和政策の積極化
2. 融和運動の進展

　おわりに

第一章　戦時期全国水平社と新生運動

　はじめに

　第一節　全国水平社の政策転換

1. 反ファシズム闘争からの離脱
2. 西光万吉ら旧幹部への接近
3. 挙国一致への参加

　第二節　西光万吉と大日本青年党

1. 西光万吉の日本主義
2. 大日本青年党の勢力伸張

　第三節　新生運動の成立

1. 新生運動グループの誕生
2. 新生運動の政策と組織

　第四節　部落運動統一＝全国水平社解消運動の展開

1. 統一＝解消運動の開始
2. 統一＝解消運動の活発化
3. 水面下の統一＝解消運動

　第五節　新生運動の終焉

1. 統一＝解消運動の停滞
2. 統一＝解消運動の挫折
3. 新生運動の終焉

　おわりに

第二章　全国水平社発祥地における戦時動員体制

　はじめに

　第一節　掖上村戦時対策協議会

1. 掖上村戦時対策協議会の結成
2. 西光万吉と阪本清一郎の意図

　第二節　戦時動員のための生活刷新

1. 応召軍人・遺家族支援と戦争熱鼓舞
2. 質素倹約実行と報国貯金強制

　第三節　戦時農村問題の重視

1. 農業生産力の拡充
2. 神田制復活案と農地問題

　第四節　国防意識と国体意識の高揚

1. 掖上村報国義勇会
2. 皇紀二千六百年記念事業

　第五節　掖上村政と柏原北方

1. 掖上村政と戦時対策協議会
2. 柏原北方と戦時対策協議会

　おわりに

第三章　戦時期水平運動における総本部派の位置

　はじめに

　第一節　総本部派の形成

1. 大和会の結成
2. 総本部派の理論形成

　第二節　総本部派の運動展開

1. 全国水平社福岡県連合会の先駆的運動
2. 総本部派の差別事件と融和事業の取り組み

　第三節　部落厚生皇民運動派との主導権争い

1. 分岐する全国水平社
2. 部落厚生皇民運動派との全面対抗

　第四節　大和国民運動への道

1. 近衛新体制への接近
2. 中央融和事業協会との折衝
3. 全国水平社第一六回大会

　おわりに

第四章　全国水平社消滅をめぐる対抗と分岐

　はじめに

　第一節　全国水平社と大和報国運動

1. 全国水平社第一六回大会
2. 大和報国運動の発足

　第二節　中央融和事業協会の融和新体制

1. 全国融和団体連合大会
2. 融和事業新体制要綱

　第三節　全国水平社の大和報国運動訣別

1. 大和報国運動の本格化
2. 松本治一郎の大和報国運動訣別宣言

　第四節　全国水平社関係者の同和奉公会参入

1. 日本新興革統制株式会社
2. 同和奉公会への改組

　第五節　全国水平社の消滅

1. 全国水平社の法的消滅
2. 解散届をめぐる攻防

　おわりに

第五章　同和奉公会体制における旧全国水平社関係者の位置

　はじめに

　第一節　同和奉公会の歴史的位置

1. アジア・太平洋戦争と同和奉公会
2. 政府および大政翼賛会との関係

　第二節　同和奉公運動の模索

1. 同和事業調査委員会の具体的方策
2. 第二回中央協議会での諸提案

　第三節　同和奉公運動の基本的活動

1. 同和促進運動と同和教育
2. 資源調整事業から厚生事業へ

　第四節　同和奉公運動の重点的活動

1. 部落産業再編成と転廃業
2. 部落形態解消と同和結婚

　第五節　部落問題状況の変容

1. 部落民衆の自主的諸活動
2. 同和奉公会の無力化

　第六節　部落解放運動の再出発と同和奉公会の終焉

1. 部落解放全国委員会の結成
2. 同和奉公会の解散

　おわりに

あとがき

初出一覧

事項索引

人名索引