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2010.08.12
書籍・ビデオ案内
 
 昨今のメディア報道の在り方に疑問を持つ視聴者・読者は少なくないだろう。長く市民の立場からメディア問題に関わってきた刑事法学者が、政権交代というこれまでと異なった政治的文脈において、ややもすれば対立させられてきた「人権」「報道の自由」をどう乗り越えていくのか、報道被害の現状をしっかりと見据えながら、大胆にメディア改革を提言する。より学びたい読者のために豊富な参考文献、URL,年表なども付けている。

ヒューマンライツベーシック
報道被害とメディア改革
―人権と報道の自由の視点から

平川宗信 著

A5判 並製 95頁 定価1,200円+税
ISBN978-4-7592-6730-3 C0036 2010.3.10発行

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もくじ


1 メディアの危機的状況
   1 「報道による人権侵害」と「報道による人権擁護」 2 ジャーナリズムの劣化とメディア規制の動き 他
2 報道による人権侵害
  「報道被害」の言葉と実態
   1 「報道被害」という言葉 2 取材活動による被害の実態 他
  報道被害で侵害される人権
   1 名誉権・プライバシー権等の人格権 2 刑事手続に関する権利など 他
  報道被害の特徴
   1 加害者と被害者の力のアンバランス 2 「報道の自由」という「錦の御旗」
3 報道被害問題の過去と現在
  報道被害の社会問題化と改革の動き
   1 「イエロー・ジャーナリズム」と「新聞裁判」 2 報道被害の社会問題化 他
  報道の逆行と法規制への動き
   1 報道の逆行とメディアの対応の遅れ 2 メディアの法規制への動き 他
   1 集団過熱取材・報道の続行と改革の停滞 2 メディアの法規制の進行 他
4 報道被害はなぜ起こるか
  記者の人権意識と記者育成・研修システム
   1 記者の人権意識とメディアの構造 2 記者育成・研修システムの問題 他
  事件報道のあり方の問題
   1 警察情報による「犯人視報道」 2 実名報道による人権侵害 他
  取材システムの問題点
   1 報道を支える記者クラブ 2 記者クラブ制度の問題点
  報道被害防止・救済システムの弱体
   1 報道被害検証・伝達システムの弱体 2 自主規律システムの弱体
  ジャーナリズムの衰退
   1 メディアの情報産業化 2 ジャーナリズムの衰退
5 報道される側の人権と報道の自由
  報道される側の人権と報道の自由
   1 人権と報道の自由の対立 2 報道・表現の自由の存在理由 他
  報道の自由の限界
   1 報道の自由の限界 2 人権と報道の自由との調整
6 報道被害防止・救済システム
  メディアの法的規制と非法律的システム
  報道被害の刑法的規制
   1 刑法的規制の萎縮効果 2 警察による言論規制の問題性
  報道被害の行政法的規制
   1 行政法的規制と言論統制の危険性 2 法務局への人権救済申立 他
  報道被害の民事法的規制
   1 損害賠償請求 2 報道の差止め
  非法律的な報道被害防止・救済システム
   1 弁護士会の人権救済制度 2 メディアの自主規律システム
7 メディアの自律的な報道被害防止・救済システム
   1 「報道のルール」と「裁定機関」 2 報道倫理綱領 他
8 報道の構造改革
  記者育成・研修システムの改革
   1 報道の構造改革の必要性 2 記者養成・研修システムの改革
  事件報道の改革
   1 事件報道の縮小 2 「犯人視報道」からの転換 他
   1 情報源の多様化 2 記者クラブの改革
  メディアの構造改革
   1 ジャーナリズムとしての再生 2 メディアの構造改革 他
9 市民が動けばメディアは変わる
  報道被害問題に関わるNPO
   1 市民とメディア 2 報道被害・メディア問題NPO 他
  メディア・リテラシーの推進
   1 メディア・リテラシーの向上 2 メディアへの意見の伝達 他