目次
序章 近代日本の「他者」と向き合う 黒川みどり
第Ⅰ部 戦前日本の〝内〟なる「他者」
第1章 泉鏡花「貧民倶楽部」の思考実験
「都市下層社会」における民衆運動の可能性をめざして 中嶋久人
第2章 近代都市と日傭労働者
一九二〇年代の大阪・「釜ヶ崎」 吉村智博
第3章 水平運動における「民族」と「身分」
一九二〇年代の活動をとおして 関口 寛
第Ⅱ部 戦時体制下の生と生活
第4章 生江町経済更生会の結成の背景
一九三〇年代における大阪市内被差別部落の生活実態と在日朝鮮人の流入をめぐって 廣岡浄進
第5章 ハンセン病表象としての映画「小島の春」
一九四〇年代における隔離の描かれ方とその観られ方 石居人也
第6章 癩と時局と書きものを
香川県大島の療養所での一九四〇年代を軸とする 阿部安成
第7章 朝鮮人労務動員をめぐる認識・矛盾・対応
一九三七~一九四五年 外村 大
第Ⅲ部 戦後市民社会の起動と排除
第8章 「残留者」が直面した境界の意味
日本占領期在九州沖縄人の声を紡ぐ 戸邉秀明
第9章 戦後初期部落解放運動の担い手の性格をめぐって
高知県友愛会の運動を素材に 吉田文茂
第10章 期待される「部落民」像
アイデンティティの獲得と継承 内田龍史
第11章 芦原病院小史
同和行政の総括のための試論 友常 勉
第Ⅳ部 今、「他者」とどう向き合うのか
第12章 沖縄を語る行為の現在 宜野座菜央見
第13章 中国化の季節
戦後思想文化史への一断章 一九四五~一九七二年 與那覇 潤
第14章 近代日本からの中国への眼差し
内藤湖南の時