このサイトではJavaScriptを利用しています。
このサイトについて | サイトポリシー | サイトマップ
■当研究所が編集・発行する出版物、研究紀要、人権啓発教材、英語書および各種ニュースレターなど。
部落解放研究173号(2006.12)
大川 一夫
徳島県自衛隊内部で生じた部落差別発言事件は、被害者の真に望んだ、差別発言に至る原因究明や加害者からの真摯な謝罪には至らず、 かえって加害者のその後の対応が、より被害者を傷つけるものとなった。
そして、自衛隊はもとより、行政も解決に寄与しなかったため、 被害者は裁判を提起せざるを得なくなった。地裁、高裁と続いた裁判は、いずれも加害者の行為を一部不法行為と認定して、損害賠償を 命じたものの十分なものといえず、そこには司法の限界もあり、今後に課題を残した。