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部落解放研究 136号掲載
内野正幸

差別表現とインターネット

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 差別的表現の対象となる社会的少数者としては、部落住民のほかに、一定の人種・民族や同性愛者など、さまざまなグループが考えられる。これらの人たちに対する差別や偏見を内容とし、もしくはそれを助長する差別的表現は、以前から重大な社会問題になってきたが、最近では、インターネット上に差別的表現がはんらんするようになってきた。これは、サーチ・エンジンなどを使って国内外をネット・サーフィングしてみると、実感できることでもある。

 ネット上の差別的表現を法的に規制すべきかについては、賛否両論があるが、少なくもと部落地名情報の提供については、全国的(あるいは国際的)な規制が検討されるべきである。憲法によって表現の自由が保障されるといっても、そもそもネット上の表現行為者は、表現手段提供者たるプロバイダーによる表現削除などの指示に逆らいにくい立場にある。しかし、プロバイダーに期待するだけでは、ネット上の差別的表現への対処法として不十分である。