二〇〇〇年八月、ジュネーブの国連欧州本部で第五二会期国連人権小委員会が開催された。人権小委員会は一九四七年、人権委員会の下部機関として設立されて以来、国際人権の高揚に努めてきたことで知られる。
今会期から開催期間の短縮などの作業組織の制約を受けた小委員会だったが、参加者の懸念をよそに熱のこもった議論が三週間交わされた。この報告書は、原田基金の支援を受けて反差別国際運動(IMADR)のインターンとして参加した筆者が作成した。内容は次の通り。
1. 作業組織
2. 世界各国における人種差別を含む人権侵害問題
3. 人種差別撤廃におけるテーマ別審議
4. 経済、社会および文化的権利の実現
5. 女性に関する人権の実現
6. 現代奴隷制
7. 先住民族の人権
8. マイノリティに対する差別の防止と保護
9. 司法行政と人権
10. 移動の自由
11. 子どもおよび青年の権利の完全実現とその保護