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部落解放研究 139号掲載
村井 茂

同和行政の新展開へ準備を整え人権行政の仕組みづくりへ
―大阪の取り組みを振り返って―

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 わが国は、あらゆる分野でシステムの変革が迫られている。そして、同和行政はいま、「特措法時代」の終焉という大きな転換点にたっている。新しい時代に対応した新しい同和行政の姿はどうあるべきかを意思統一し、しっかりと準備を整えねばならない。

 大阪においては近年の同和行政を巡る変化を進取し、1995年には「大阪府同和行政基本方針」を、1997年には「大阪府同和行政推進プラン」を策定するとともに、1996年12月の府「同対審」答申によって同和行政の新たな基本方向を確立させてきた。そして、1997年には「人権尊重の社会づくりにむけた提言」を、1998年には人権行政推進のための機構改革と「人権尊重の社会づくり条例」の制定を実現し、同和行政を人権行政の一環として再構築していく基本方向を確認してきた。

 さらに、本年3月29日、大阪府は「大阪府人権施策推進基本方針」を策定した。

 こうした経過の中で、「部落差別が現存する限り同和行政を推進する」という基本理念と「真に国民的課題として展開する」「差別の原因に迫る」「総合行政としての」「人権行政の一環としての」「人権の地域社会づくりに貢献する」――同和行政の発展の方向が確認されてきたといえる。