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部落解放研究 139号掲載
論文:内田雄造

大きく変容しつつある部落のまちづくり
―人権のまちづくりを中心に―

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 筆者は1975年から部落のまちづくりにかかわり、部落、とくに同和地区のまちづくりこそ、日本のまちづくりの先行的・先進的な事例であると考えてきた。

 一方、1980年代後半以降、筆者はアジアの低所得者階層居住地のまちづくりにかかわりその実態に触れることができた。また1990年以降、アメリカ合衆国においてコミュニティ デベロップメント コーポレーションによってスラムや荒廃地区のコミュニティ デベロップメントが多様かつ活発に展開されている。

 そして世界のさまざまなまちづくりと交流する中で、部落のまちづくりも1990年代から大きく様変わりしつつある。

 本報告では部落のまちづくりの新しい潮流を整理し、そのまちづくりの実態、とくにまちづくりで取りあげられるテーマとまちづくりのスタイルを紹介することを主な内容とする。同時に、部落のまちづくりを世界のさまざまなまちづくりと比較対照し、その位置づけを試みている。そして、部落のまちづくりが今後の日本のまちづくりに示唆する内容を抽出し、整理することができればと考えている。