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本稿は、福山市同対審の「答申」提示ののち、筆者が担当部局の求めに応じて、市幹部職員を対象に、答申の概要、基本的な考え方などについて講演した記録をもとに、今時点で必要な加筆を施したものである。意見など評価にわたる部分はすべて私の立場のものである。
国の人権政策の動きや他府県市の同和行政の到達点を見すえつつ、部落問題をメインに、人権・同和問題の本質に立ち返ることの重要性を強調している。その意味で、これまでより幅広い視野に立って、法失効後の同和施策に関する基本的事項、その中で当面する対策事業の見直しや、部落解放につながる総合計画を人権のまちづくりの観点で進めていく上での基本的な考え方について論及している。
なおまとまりを欠き抽象的な論議の域を出ないが、筆者としては本稿を法失効後の人権・同和行政のあり方を考えるための第一歩にしたいと考えている。