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部落解放研究 140号掲載
論文:内田龍史

大戦後部落住民意識調査に見る「部落民」としてのアイデンティティ状況(上)

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 本論文は、戦後から現在に至る部落住民意識調査から読みとることのできる「部落民」としてのアイデンティティ状況に焦点をあて、部落住民が、「部落民」として何を部落問題ととらえたのか、また、「部落民」という概念をどのようにとらえてきたのかを時系列にそって跡づけていく試みである。

部落住民に対する意識調査は、部落の実態調査、部落外の人びとの部落に対する意識調査に比べて圧倒的に少ないが、部落住民の意識を対象にした量的な調査がまったくないわけではない。本論文は、それらの調査報告書にはじめて焦点をあてたものであり、今後の部落住民に対する調査の基礎資料となるであろう。

また、現在盛んになっている「部落民」としてのアイデンティティを研究するための手がかりともなるだろう。本論文(上)では、戦後から1974年頃までの部落住民意識調査について検討する。