------------------------------------------------------------------------
本稿は、戦後、東七条の南部にバラック住宅が急増した状況と、その地域に改良住宅を建設しようとする京都市の対策を考察するものである。京都市は1957年に、このバラック集落の実態調査をおこない、1959年度から本格的な対策を開始し、立ち退き者のために地区外に公営住宅を建設しようとする。
建設地での激しい反対運動がおこり難航するが、1961年に鈴塚団地が、1962年に桜島住宅が竣工した。1960年に東海道新幹線がバラック集落を通ることが決定され、このため、京都市は国鉄からバラック集落の移転、除去等のいっさいの費用を得ることになった。1962年に、立ち退き者のための北河原住宅が竣工し、東七条でのバラック集落の問題は解決をみることになる。
