編集後記
本号の各論文はそれぞれにおいて興味あるものであり、歴史論文である布引論文や前川論文は、各地域での文書や史料をていねいに掘り起こしていけば部落史研究も一層、奥行きが深くなっていき、より高い次元に進むことを痛感した。伊藤論文ではジェンダー統計からの課題がこれからの部落解放運動の方向性に重要な役割を果たすだろうと確信した。また鍋島論文では「部落の低学力」等、部落の教育課題についてのこれまでの仮説的なものがこうした作業によってより形が見えてくるだろうと確信させられた。
なお、前号(140号)編集後記の執筆者一覧で、論文「戦後部落住民意識調査にみる『部落民』としてのアイデンティティ状況(上)を執筆していただいた内田龍史さん(大阪市立大学大学院文学研究科後期博士課程)の紹介が抜けていた。お詫びしてここで紹介させていただきたい。(M)