人々はマイノリティとの結婚についてどのように考えているのだろうか。それに、どのような要因が影響をあたえているのだろうか。京都市での市民を対象とした意識調査のデータをもとに、同和地区出身者だけでなく、在日韓国・朝鮮人、日系外国人、障害のある人について比較し、結婚差別のあり方を検討した。
その結果、つぎのことが明らかになった。子の結婚相手がマイノリティの場合、市民の過半数は反対の態度をもっている。強い拒否の態度は、「在日韓国・朝鮮人」(二一%)、「同和地区出身者」(一八%)、「日本で働き、永住を希望している日系外国人」(一六%)で、その差は五ポイント程度であり、大きな違いはない。年齢が若くなるほど、拒否的な態度は少なくなり、「問題にしない」が多くなる。結婚についての態度は、同和地区出身者、在日韓国・朝鮮人、日系外国人、障害者それぞれの相関はかなり高い。「同和地区出身者の場合は結婚に賛成するが、障害のある人の場合は反対」は、若い世代になるほど多くなっている。障害者差別の克服は、若い世代の大きな課題である。固定的な性別役割観をもつひとは、「在日韓国・朝鮮人」や「日系外国人」との結婚を避ける傾向にある。犠牲者非難の考え方は、結婚への態度に大きな影響を及ぼしている。結婚をめぐる態度には、付き合いの有無が関係しているが、それ以上に、どのような付き合いのしかたをしているのか、その質が関係している。