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部落解放研究 144号掲載
佐藤 裕

部落問題に関する人権意識調査のあり方と「差別意識論」の課題
ー大阪府2000年調査の経験から(前編)

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 これまでの「人権意識調査」は(差別の原因としての)差別意識を測定しようとしてきたが、それは本来質問紙調査では不可能ではないか。意識調査では差別的な問題設定を受け入れる可能性(忌避的態度)の測定と、その規定要因の推定を目的として構成されるべきだ。

 「忌避的態度」を目的変数とした場合、その規定要因としては、「状況認識」(差別は「キビシイ」「ナクナラナイ」)と「倫理的判断」(差別は「イケナイ」「シカタナイ」)の二つが考えられる。このようなモデルを採用する事によって、差別とは無関係だと思っている多くの人が、どのように差別と関わっているのかを分析することが可能になる。