二〇〇二年からの新しい学習指導要領が始まるなかで、様々の学力低下批判がみられるようになった。それらの学力低下批判は、これまで言われてきた「知識の量を競う」ような学力ではなく「生きる力」としての学力といった言い方に「冷水」をかけるようなものともなっている。
そして教育現場では「学力」をめぐってのある種の混乱すらが広がりつつある。もとより「学力保障」は私たちが追求し続けてきた最重要課題の一つである。様々に主張されている学力低下批判を手がかりに、私たちが求める「エンパワメントとしての学力」のあり方を探ってみたい。