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部落解放研究 146号掲載
特集

社会的不平等と学力低下批判
―学力保障をめぐる動向と課題に寄せて―

長尾 彰夫


 二〇〇二年からの新しい学習指導要領が始まるなかで、様々の学力低下批判がみられるようになった。それらの学力低下批判は、これまで言われてきた「知識の量を競う」ような学力ではなく「生きる力」としての学力といった言い方に「冷水」をかけるようなものともなっている。

そして教育現場では「学力」をめぐってのある種の混乱すらが広がりつつある。もとより「学力保障」は私たちが追求し続けてきた最重要課題の一つである。様々に主張されている学力低下批判を手がかりに、私たちが求める「エンパワメントとしての学力」のあり方を探ってみたい。