本稿の目的は、大阪府の貝塚市立第二中学校区において筆者らが行ってきたフィールド調査に基づき、同中学校区における小中学校と地域との協働の現状を明らかにすることである。
本稿の前半部分にあたる(上)(一四五号掲載)では、主に小中学校の「総合的な学習の時間」における子どもたちと保護者や地域の大人たちの関わりに注目したが、本稿ではその視点をより学校を取り巻く保護者、地域ボランティアの活動へと移し、教育活動への参加を媒介とした保護者や地域ボランティアのネットワークの広がりをみていくことにする。
さらに、校区にある東青少年会館や保育所の活動にも焦点をあて、これらの教育機関が保護者・地域のネットワークづくりや校区全体の子育て支援に向けてどのように動き出しているかもあわせてみていく。