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書籍・ビデオ案内
 
部落解放研究 147号掲載
執筆者一覧

関口  寛(せきぐち・ひろし)山梨県立女子短期大学非常勤講師

田中 和男(たなか・かずお)同志社大学・龍谷大学非常勤講師

吉村 智博(よしむら・ともひろ)大阪人権博物館

ûü島 肇久(たかしま・はつひさ)前国際連合広報センター所長

西久保信一(にしくぼ・しんいち)高槻市立北清水小学校教頭

濱元 伸彦(はまもと・のぶひこ)大阪大学大学院生

大田美穂子(おおた・みほこ)藤井寺市立道明寺中学校

中尾 健次(なかお・けんじ)大阪教育大学

藤野  豊(ふじの・ゆたか)部落解放にとりくむ富山県連絡会幹事


編集後記

 一九二二年の三月三日に京都市の岡崎公会堂で全国水平社の創立大会が開かれて八〇年、折しもこの三月に同和対策事業に関わる特別措置法が終了した。部落解放運動の将来像を探るうえでも原点に立ち返る意味は大きい。本号では、水平運動を多角的に捉える特集を組んだ。

 巻頭の関口論文は、国民社会の新たな支配秩序形成のもとで被差別部落民に対する社会的承認を求めた水平運動を、主体の集団的世界観や集合心性の側面から捉える。田中論文は、水平運動に影響を与えたキリスト者のうち島崎藤村や賀川豊彦に注目し、彼らの「文明化の使命」意識と部落に対する人種主義的偏見を明らかにする。吉村論文は、部落改善事業の実績、当該部落の生業構造や自治経験などの地域特性に相応して展開された滋賀県の融和運動の具体像を描き出す。

 今回、経済のグローバリゼーションのなかで、人権・労働基準・環境に関する九原則にもとづく企業活動を呼びかける国連のグローバル・コンパクトに関し、前国際連合広報センター所長の?島さんから、特別に寄稿いただいた。

 個別論文では、体験的「開かれた小学校づくり」論の西久保論文、貝塚二中校区における教育コミュニティ調査報告の後編である濱元・大田論文((上)は一四五号所収)、中尾さんの「相州鎌倉極楽寺村長吏類門帳」紹介を収録した。(K)