法令遵守や情報公開、雇用、消費者対応、環境、市民社会貢献等々の要素からなる企業の社会的責任のなかで、重要なのは対外的な責任だけではない。企業活動の基本となる従業員の雇用・待遇に関して、男女雇用機会均等法以前から女性の積極的な採用と定着化に力を入れてきたベネッセコーポレーションは、法制度に先駆けて育児休業や再雇用のシステムを取り入れ、修正を加えながら現実に即して柔軟な運用をしてきた。
これらの制度が実際に男性をも含む従業員によって利用され、定着し、現在は育児による休職後に職場復帰するのが当たり前という社内の雰囲気ができており、管理職に占める女性の割合はまだ低いものの女性従業員が全体の六割以上を占めていることなどが認められ、一九九九年度、初の「ファミリーフレンドリー企業」表彰を受けた。
