グローバル化に伴い、企業による人権侵害が国内問題としても深刻化している。
ビルマでは、海外からの投資が人権侵害主体である軍事政権の資金源となっていた。この状況を受けて、米国国内では市民による大規模なビルマボイコット運動が展開され、マサチューセッツビルマ制裁法(MBL)など全米で二四の地方自治政府によるビルマ制裁法が制定され、その影響でビルマから多くの企業が撤退した。
MBLに対し二〇〇〇年に違憲無効判決が出された後も、市民・地方自治政府によるビルマボイコット運動は依然盛んに行われている。ビルマボイコット運動を支えたのは、市民の地球市民意識と消費者意識である。
その結果、地方自治政府は人権問題解決という社会的価値の実現を、企業は社会的責任を求められた。ビルマなど国外における人権状況の改善のため、市民・企業・地方自治政府といった非国家的主体が重要な役割を果たしている。