従来、部落問題は日本固有の問題であるとされてきた。
確かにこの問題は、日本の歴史に深く根ざした固有の面を持っているが、インドをはじめとする南アジアに存在しているカースト制度に起因した差別と類似した面を持っている。
このため、近年国連・人種差別撤廃委員会や人権小委員会などでは、「世系(descent)」、「職業と世系」に基づく差別として関心を示し、勧告や決議を採択するところとなってきた。
ちなみに、今夏の人権小委員会では、アフリカにおける「職業と世系」に基づく差別まで取り上げられるところとなってきている。
本稿は、それに至る歴史、ならびに現状と課題をまとめたものである。
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