第56回国連総会(2001年)で採択された決議56/168に基づき設置された特別委員会(Ad Hoc Committee)は、障害者権利条約に関する諸提案を検討するために設けられ、すでに第1回及び第2回特別委員会(2002年、2003年)が開催された。
第2回特別委員会では、本条約作成の合意が得られ、第3回特別委員会で条約案(draft convention)について交渉するために、条約文案(draft text)を作成する作業部会の設置が決定された。
2004年1月に開催予定の作業部会、同年5-6月頃に開催予定の第3回特別委員会では、当事者参加型の実効的かつ実際的な人権条約の実現に向けて、障害者が主体的役割を果たしつつ、あらゆる利害関係主体(障害者、政府、国内人権機関、国連諸機関等を含む)が建設的な対話を築いていくことが強く求められる。
大要以上について論じる本稿は、国際人権法学の観点からは、障害者権利条約ないし障害者差別撤廃条約という新たな国際人権基準の設定過程の考察の一部として位置づけられる。
|