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2004.02.24
書籍・ビデオ案内
 
部落解放研究 156号掲載
反差別に結びつく意識の形成要因
―社会関係要因に関する分析―

妻木 進吾

 部落問題をめぐる意識、とりわけ反差別に結びつく意識は、どのようにして、またいかなる要因によって形成されるのか。被差別部落出身ではない対象者の聞き取り調査データをもとに、他者や集団との関係のありようとその変化という切り口から検討を行った。

結果、次の知見を得た。

  1. 部落に関わる規範や情報は、それが差別的であれ反差別的であれ、緊密で信頼に満ちた関係が形作られている間では容易に伝達、受容される。
  2. 反差別を期待される地位に就くことは、一定の条件下においてであれば、反差別の意識が導き出される契機となる。
  3. 部落出身者との対面的接触は、一定の条件下においてであれば、部落に対する意識を肯定的に変化させる契機となる。