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2004.02.24
書籍・ビデオ案内
 
部落解放研究 156号掲載
編集後記
 本号は部落問題・人権啓発のための基礎的研究という意味で、部落に対する偏見、さらにはその克服を指向する人権意識が、個々人の内にどのように形成されうるのかを、各人のもつ様々な社会関係に着目して追究した特集である。

 特集の益田・妻木両論文は、昨年度の調査研究事業による質的データをもとに、前者は部落問題への関与の程度、生活領域の多重性と意識や行動の多重性を、また後者は部落問題との接触時の人間関係の質、職業的地位と部落問題の位置づけ、部落出身者との接触を、意識形成への鍵としてそれぞれ抽出する。内田論文は量的データをもとに、一定の条件下での部落出身者との日常的接触が、意識形成にプラスに働くことを検証する。

 また、社会的価値の実現と自治体の政策入札に関する吉村論文、近代岡山におけるプロテスタントの布教活動と被差別部落に関する友寄さんの研究ノート、膨大な歴史的遺産であるフランスの『百科全書』から「なめし」に関する項目についての中尾さんによる紹介を収録した。

 なお一五五号の英文目次に、二カ所誤りがあった。Special Referenceの二行目、「Mr. Asborn EIDE」は「Mr. Asbjorn EIDE」、三行目の「2002/108/2003/22」は「2002/108(E/CN.4/Sub.2/2003/24)」が正しい。また、表紙目次中、三つ目の論文について妻木進吾さんのお名前が抜けていた。お詫びして訂正させていただきたい。(K)

執筆者一覧
益田  圭 (ますだ・けい)相愛女子短期大学人間関係学科助教授

妻木 進吾 (つまき・しんご)大阪市立大学大学院文学研究科後期博士課程

内田 龍史 (うちだ・りゅうし)大阪市立大学大学院文学研究科後期博士課程/部落解放・人権研究所職員

吉村 臨兵 (よしむら・りんぺい)奈良産業大学経済学部助教授

友寄 景方 (ともよせ・かげまさ)日本キリスト教史研究者

中尾 雪絵 (なかお・ゆきえ)帝塚山大学経済学部非常勤講師

中井伊都子 (なかい・いつこ)甲南大学法学部教授