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2004.07.07
書籍・ビデオ案内
 
企業の社会的責任(CSR)と人権

谷本 寛治(一橋大学大学院商学研究科教授)

 近年、企業の社会的責任(CSR)が盛んに議論されるようになってきた。企業活動にかかわる人権問題もCSRとして捉え直されており、被差別部落問題のみならず、もっと広く、女性、障害者、高齢者、外国人への雇用差別、組織における働く人々の人権問題、さらに海外事業所やサプライチェーンにおける人権問題や、途上国におけるスウェット・ショップ問題まで含めて考えられている。

 社会経済システムの持続可能な発展を求める時代潮流において、企業に期待される役割や責任が変化し、CSRに取り組む姿勢が企業評価に結びつくようになりはじめている。本稿では企業と人権の問題について、日本企業の状況や、今後のあり方について考えていく。