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2004.08.11
書籍・ビデオ案内
 
明治・大正期の食肉産業と被差別部落
─屠畜業との関わりを中心に─

本郷 浩二

 屠畜場を中心として形成された被差別部落である神戸の新川地区は、外国人から伝えられた屠畜方法と、高度な技術によって「神戸肉」の名声を支えた。

 同地区では、屠畜場の確立・職人の独立によって屠畜業が産業として成長し、それによって就業機会が創出されたが、大正期に屠畜場が地区外に移転すると、地区の経済・生活状態は悪化した。

 新川地区の生活空間は屠畜場を軸に豊かな広がりを有していたが、外部からは、その独自の食文化や、「屠牛の荒仕事」等を関連づける形で、差別的な眼差しが向けられていた。