外国人住民を対象とした自治体の調査は、一九九〇年前後から本格的に実施されるようになり、外国人登録原簿からサンプリングを行った調査も数多く行われている。
近年では、研究者や外国人住民、NGOなどが調査に関わることが一般化するとともに、アンケート調査だけでなく聞き取り調査を併用する自治体も見られるようになった。
しかし、外国人住民の量的な実態把握が進展する一方で、既存の調査では十分にとらえきれていない層が存在することも確かである。
外国人登録をしていない超過滞在者や密航者に加え、国籍別の回収率の分析で明らかになったのは、ブラジル籍のなかでも特に定住者の在留資格を持つ人々や、フィリピン籍の興業の在留資格を持つ人々である。
|