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2005.02.24
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人種差別撤廃委員会一般的勧告30
─「市民でない者」の権利の明確化は人種的差別の撤廃の第一歩となるか?─

中村 隼人

 二〇〇四年三月、人種差別撤廃委員会は人種差別撤廃条約(ICERD)の正しい解釈を示した、「市民でない者」の権利に関する一般的勧告30を策定した。

 ICERD第一条第二項が、締約国が定める市民と市民でない者に対する区別に関しては条約が適用されないとしているのをはじめ、「市民でない者」は現代国際人権法において保護の対象から除外されてきた。

 一方、テロ以降、「市民でない者」の人権状況は悪化の一途をたどっており、その権利保護の拡充などが叫ばれてきている。本稿は、報告として一般的勧告30の策定過程の議論を紹介し、これを、特に日本においてどのように使っていくことができるのか検討したものである。