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2005.04.28
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三浦参玄洞の思想
   ─全国水平社の創立と真宗信仰の視点から─

浅尾 篤哉

 全国水平社の創立に参画した人びとに影響を与えた三浦参玄洞の思想を、真宗信仰とマルクス主義を糸口に考察した。

 三浦の中で終始一貫していたのは既成教団への批判であり、そのための実践を説いたことである。しかし、なぜ実践が必要なのか十分な説明はなかった。

 一方、日中戦争において「東洋平和」のために勝利することを主張する。そこには、本格的な親鸞理解にはいたらず、国家神道を信仰の上で批判できない、真諦=仏教、俗諦=「東亜共同体」建設、とする真俗二諦としての真宗信仰が存在していたといえるだろう。