大阪府西ノ辻遺跡では、平安時代末から室町時代初頭にかけての解体された牛馬骨や多数の漁網錘など多様な職能民の存在を示す遺物遺構がみつかっている。
このような西ノ辻職能民の活動は『水走文書』にみられる河内国大江御厨に関する記載と同期することから、彼らは兄部水走氏に統率された供御人であることを明らかにした。
また、西ノ辻供御人は、水走氏および皇室の三者による利害一致のもとに、約二〇〇年間「大津」を拠点に大江御厨山本を独占的に支配していたが、水走氏の衰退とともに大江御厨山本は解体され、彼らの活動も消滅したことがわかった。
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