二〇〇五年一月一九日、広島高裁は、広島三菱重工元徴用工在韓被爆者訴訟において、四六名の原告全員に対し日本政府に一二〇万円の損害賠償を命じる画期的判決を行った。
一連の戦後補償裁判のなかで、国に対し賠償を命じた高裁判決は初めてである。判決は、被爆者法には国籍条項がないにもかかわらず、在外被爆者に対する適用を頑なに拒んできた日本政府の政策を厳しく断罪し、原告らに慰謝料を支払うことを命じた。
一審の広島地裁では全ての請求が棄却されており,高裁段階での原告らの逆転勝訴である。現在、裁判の舞台は最高裁に移っている。既に八〇歳を超える被害者の年齢からすれば、日本政府として、この高裁判決の趣旨に従い、一日も早い行政的解決をなすべきことが求められる。
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