Home書籍・ビデオ案内 部落解放研究 もくじ > 本文
2006.02.23
書籍・ビデオ案内
 
近世後期天王寺長吏林家における相続をめぐって
-長吏文書研究会の活動より-(上)

高久 智広

 本稿は「長吏文書研究会」の活動の中間報告として記したものである。

 同研究会は神戸市立博物館が所蔵する「長吏文書」を翻刻し、史料集として刊行することを目的としている。同史料群は、すでに公刊されている大阪府立中之島図書館所蔵『悲田院文書』と一体の史料群であることが近年明らかにされたが、一二〇〇点に及ぶ史料は、天王寺垣外に限らず四ヶ所全体に関わるものも含め、内容は多岐にわたる。

 本稿では、翻刻の基礎作業として行った天王寺長吏林家の系図復元のなかで明らかとなった、同家の家督相続問題について検討し、その争論の背景について考察した。