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2006.05.02
書籍・ビデオ案内
 
近世後期天王寺長吏林家における相続をめぐって
-長吏文書研究会の活動より-(下)

高久 智広

前稿では、天王寺長吏を勤めた林家に関わる「長吏文書」の伝存経緯と長吏文書研究会の活動について紹介し、長吏林家の系譜を確認した。

林家では、一八世紀後半に六代長吏善十郎の跡式相続をめぐって、手下娘から善十郎女房となった「さき」、善助の伯母「かち」が七代善助を相手取り訴訟を起こしており、前稿では特に「さき」の訴訟について検討した。

本稿では続いて「かち」の跡式分割要求について検討し、京都悲田院から聟養子に入った橘屋藤兵衛倅嘉助が長吏としての地位を確立していく過程を追う。