今行政特集号は、特措法終了後、各地で試行錯誤されている人権・同和行政について、大阪における試みを紹介する。
中川論文は、地方分権下の人権行政のあり方を、隣保館への「指定管理者制度」導入を例に、効率性のみならず公的使命の側面から整理する。大阪府総合評価検討会議論文は、府内施設の清掃業務入札に際し、価格に加え知的障害者や就職困難者等の雇用計画も評価する総合評価制度の導入と運用を紹介する。
谷川論文は、地区指定の根拠法であった特措法の終了後、一定、実施が困難になっている「同和地区実態調査」について、旧地対財特法対象地域での実施を決めた大阪府における議論と具体的な手続きを紹介する。
個別論文では、前号に前半を掲載した高久論文の後半、TIMSS調査・PISA調査の国際比較による日本の子どもの読解力や意欲の低下、学力の社会経済的格差を明らかにする小倉論文、国連人種差別撤廃委員会による「刑事司法制度の機能・運用における人種差別の防止に関する一般的勧告31」の概要と背景についてのスティーブンス報告を掲載した。
前号の八九頁三段目、七?八行目「人権偏見・差別」は「人種偏見・差別」、八七頁上段の注番号(21)は不要である。お詫びして訂正させていただく。 (K)
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