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2006.05.19
書籍・ビデオ案内
 
「そっとしておけば自然と差別がなくなる」という考え方は、根強く存在しています。部落問題の解決にとって、古くて新しい課題です。考える事、話し合う事を大切にした人権研修やワークショップでの活用に最適な、新しいタイプのビデオ教材です。
そっとしておけば・・・
寝た子を起こすなという考え方
部落解放・人権研究所 人啓発ビデオ製作委員会
2004年作品 VHSカラー36分 35,000円+税
解説書付き B5判 136ページ

企画 人権啓発ビデオ制作委員会
制作 株式会社 元気な事務所

注文書(PDF)

 内閣同和対策審議会答申(1965年)が、「部落差別はなくならない」という宿命論と同時に「放置しておけばなくなる」という寝た子を起こすな論を否定してから久しいが、この考え方は今もなお再生産されている。2000年3月末に地対財特法が失効し、部落問題を人権一般に解消するという傾向も−部に見られ、改めて部落問題の根本的解決の方向が問われている。このビデオは、入門的でかつ根本的な課題を考える教材である。

第1部 ドラマ構成による問題提起

 ある市民劇団での出来事。「眠る少女」と題するお芝居を演出している。

「隠す」という意識をテーマに劇団員にショートコントなどの課題が出される。

 団員たちは、自らの隠したことの体験を語り合いながら、「隠して生きる」ことの精神的な負担や苦痛について考える。

 「そっとしておけば・・・」解決すると主張する団員。その悪気ない言葉が、被差別当事者に与える抑圧に気づきはじめる。

お弁当隠して食べた事・・
どうしても、話せないこと・・・
日本名で働いてること・・・

解説部 第2部 CGと資料を使った解説

 「そっとしておけば自然と差別がなくなる」と考えている人が少なくないことは人権意識調査の結果から明らかになっている。

 しかし、結婚や就識等に際して「そっとしておけば…」という前提そのものが成立しない差別の現実がある。「寝た子を起こすな」という考え方は、差別をなくすための積極的な取り組みを否定し、被差別当事者が差別を受けても抗議の声を上げずに忍耐することを求める思想である。

 これは、部落出身者だけでなく在日韓国・朝鮮人、障害者、セクシュアルマイノリティ等にも共通する解放の課題である。ありのままの存在が肯定され、自らのアイデンティティに誇りをもって生きることの出来る社会のあり方を考える。