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2007.10.25
書籍・ビデオ案内
 
被差別部落出身者、在日コリアン、在日外国人、同性愛者――。
あなたの身近にいるかもしれない被差別当事者の日々の想いをドラマで描きました。
観て、感じて、考えて。考え方のヒントも示した人権啓発ビデオです。
研修担当者のために進行方法や事前学習のための資料、話し合うポイントを解説した「学習の手引き」付きです。

紡ぎだす未来
~共に生きる~

部落解放・人権研究所 人啓発ビデオ製作委員会
2007年作品 VHSカラー35分(字幕入り) 35,000円+税
解説書付き B5判 73ページ

注文書(PDF)

 本作品は、人権について考える第一歩として、あなたの身近にもさまざまな被差別の当事者がいるかもしれないということに気づいていただくことを目的とした人権啓発ビデオです。
 人権や差別についての啓発の際、就職差別や結婚差別、入居差別といった差別事象の実態を学んだり、偏見や噂に惑わされないよう正しい知識を身につけることが大事ですが、同時に、差別を受けるということの心理的負担がどのようなものかを理解することも不可欠です。そのために、本作品では2人の登場人物を軸にドラマを展開しています。
 一人は、社会人になってから被差別部落出身者であることを知らされ、差別を受けるとはどういうことかを一から考えていく主人公・佐藤晃。もう一人は、長年、日本名を名乗りながら在日コリアンとして差別について考えてきた安本憲男です。晃は安本との交流を通して、差別を受けるかもしれない立場である自分は今後、どう生きていくかを考えます。
 また、本作品では最後に、出演者が人権や差別についての「メッセージ」を語ります。人権研修後、「差別があることはわかりました。でも、私はなにをすればいいのでしょうか?」といった感想が語られることがあります。決まった正解があるわけではありませんが、この「メッセージ」をご覧いただき、人権の尊重される社会をつくるために、一人ひとりができることを考えるヒントとしてください。
 差別の問題を他人事として捉えるのではなく、自分自身の人権、また自分の身近な人の人権の問題と考えていただくために、本作品が活用されれば幸いです。

ドラマ部■ドラマによる問題提起

住宅販売会社で働く佐藤晃は、ある日、父親から祖父母が部落出身だったことを告げられます。

「だから、私たち家族も部落出身者と見なされることになる」

部落に行ったこともない、部落問題についてほとんど知識もない自分が“部落出身者”……。自分の知らないところで調べられ、結婚や就職のとき、いつ、どこで、誰に差別されるかもしれない――。

「部落は怖い? じゃあ、オレも怖いのか?」

とまどう晃は初めて差別される不安を感じ、身近にいた「被差別当事者」の感じるプレッシャー(抑圧)に想いを馳せます。

部落出身であることを隠してきた祖父母。本名を名乗りたくても日本社会に同化することを強いられている在日の知人―。

けれど一方で、偏見や差別によって排除されている人たちの存在に気づき、考えはじめる人たちもまた、身近にいたのです。

「どこかよその世界の話じゃない」

「僕たちが、知らなかっただけなんですね」

自分が部落出身者として差別される不安はある。けれど、自分を否定するのではなく、偏見や差別と向き合い、共に生きる社会を紡ぎだせれば…。

これまでの自分を振り返った晃は、在日の知人にこれからは本名で呼ばせてほしいと申し出ることで、自ら一歩を踏み出すのでした。

所要時間● ドラマ部/約30分









メッセージ■人権を考えるヒント

様々な立場を演じた出演者がメッセージを語ります。

部落出身を告げるかどうか迷う「身近な当事者の想い」に気づくこと。日本に暮らす外国人とわかりあい楽しめるつながりをつくること。入居差別を受けている人たちに「想いを馳せて」ものごとを考えること。性の常識にとらわれがちな「自分を見つめて」いくこと…。

お互いの人権を尊重する社会にするためにはどうすればいいか。「こんな考え方もできる」というヒントを示します。

所要時間● メッセージ/約5分