ドラマ部■ドラマによる問題提起
住宅販売会社で働く佐藤晃は、ある日、父親から祖父母が部落出身だったことを告げられます。
「だから、私たち家族も部落出身者と見なされることになる」
部落に行ったこともない、部落問題についてほとんど知識もない自分が“部落出身者”……。自分の知らないところで調べられ、結婚や就職のとき、いつ、どこで、誰に差別されるかもしれない――。
「部落は怖い? じゃあ、オレも怖いのか?」
とまどう晃は初めて差別される不安を感じ、身近にいた「被差別当事者」の感じるプレッシャー(抑圧)に想いを馳せます。
部落出身であることを隠してきた祖父母。本名を名乗りたくても日本社会に同化することを強いられている在日の知人―。
けれど一方で、偏見や差別によって排除されている人たちの存在に気づき、考えはじめる人たちもまた、身近にいたのです。
「どこかよその世界の話じゃない」
「僕たちが、知らなかっただけなんですね」
自分が部落出身者として差別される不安はある。けれど、自分を否定するのではなく、偏見や差別と向き合い、共に生きる社会を紡ぎだせれば…。
これまでの自分を振り返った晃は、在日の知人にこれからは本名で呼ばせてほしいと申し出ることで、自ら一歩を踏み出すのでした。
所要時間● ドラマ部/約30分