- 2007年2月27日 朝日新聞 大阪 人権教育企画室廃止へ 大阪市教委 同和施策見直しで
- 2007年5月15日 読売新聞 大阪 大阪の中学給食廃止 「12校から全校拡大」断念 市教委方針
大きな器ものを膨大な市民の税金を投じ建設し、しばらくすると経営破綻を招き、さらに莫大な税金を投入しつづけるか、捨て値同然でたたき売る。思いつくだけでも、WTCビルやフェスティベルゲートなどが思い浮かびますが、そうした無計画とも思える大阪市政のツケを、すべての市民へのサービスの悪化と低下により補填しようとしている、と断言するのは穿った見方でしょうか。
表記2本の記事は、表裏一体の関係にあることがらであるといえます。子ども達に向けたのが「人権教育企画室の廃止」と「12校での中学校給食の廃止」です。いずれも大阪市教育委員会の決定事項です。
格差社会という言葉が定着し、さまざまな分野で社会的な排除ともいえる状況が生み出されてきています。今、人権侵害の実態は複雑化し、且つ、申告の度合いを深めているといえる時、「人権教育企画室」の果たす総合調整の機能や企画機能は、ますます重要性を増しています。また、40年に亘る歴史と蓄積をもつ人権教育企画室の廃止の意味は、市民に対して何ら説明のなされていないことですし、当然、子ども達には事実の報告すらなされていないのではないでしょうか。
そして、それは12の中学校での給食の廃止にもつながっています。
「学校給食法」では「義務教育設置者は給食を実施するよう努めなければならない」努力義務規定があります。実際、全国の約8割の中学校において給食が実施されています。大阪市においても12校を端緒として、中学校給食を拡大していく方針が示されていました。
生活格差の拡がりが子ども達の進路や生活実態にも深く影を落としていることは否定しえない状況となっています。栄養の偏り、不規則な食事、過度の痩身指向や食の安全などが求められるとして「食育基本法」が制定されたのは2005年のことです。
今回の決定には文部科学省すら驚き、拡大傾向にある中学校給食が、「大阪市のように廃止するケースは聞いたことがない」とコメントしています。
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