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2007.09.26

新聞で読む人権
2007年9月

インターネットと人権侵害でシンポ

  • 2007/08/16 奈良日日新聞 奈良 "人権侵害"考える 橿原でネット社会シンポ

シンポジウムの主催者・奈良県市町村人権・同和問題啓発活動推進本部連絡協議会(http://www.tenichi.jp/index.shtml)は、インターネットプロジェクト会議を早くから立上げ、市町村や県内企業の職員の協力の中で、奈良県内に関わったインタネット上の差別的書き込みをチェックし、その不当性を広く県民に啓発してきました。その取組みをふまえて、シンポジウム「これでいいのか『メディアリテラシー』~混迷するインターネット社会を切る」を8月に開催しました。

県食品・生活センターからは、若者の相談の約8割にインターネットや携帯による振込み詐欺などが絡んでいること、三重県高校教員からは「学校裏サイト」の中傷実態や削除依頼の経験・課題、インターネットプロジェクト会議からは被差別部落地域のリスト化・掲示板への差別書き込みの実態などが報告されました。

全国的には、総務省の「ユビキタスネット社会の実現に向けた政策懇談会」最終報告書の「ユビキタスネット憲章・案」の情報倫理に関する第8条「情報倫理の確立」で、「すべての人は、差別、犯罪、暴力、児童虐待等につながるICTの濫用に対し適切かつ予防的な措置を講じ、公共の福祉の増進及び社会的一体性の強化に資するための情報倫理に努めなければならない」とあります。

そして2006年8月「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する研究会」最終報告で、違法情報への対応、有害情報(公序良俗に反する情報及び青少年の取って有害な情報に限定)への対応が触れらました。また、2006年11月には、電気通信事業者四団体が「違法情報への対応に関するガイドライン」「違法・有害情報への対応に関する契約約款モデル条項」を公表しています。

しかし全体的に「不当な差別的言動やや差別を助長する情報」への明確な考え方は示されておらず、今後の課題となっています。