- 4月17日 産経新聞 大阪 夕刊 暮らしと経済 caf economy caf economy フードバンク 余った食品 無償で提供
今日、企業が社会的課題の解決のために役割を果たす「企業の社会的責任」の取り組みが徐々に広がっています。CSR実践には、多様なテーマと多彩な手法がありますが、中でも本業を通じて社会に貢献することが、継続的に取り組んでいくことにつながるといわれています。
その中で、現在日本においても、「フードバンク」という取り組みが広がりつつあります。これは、検疫で解凍したり、梱包が破損したりするなど、食品の品質には問題がないものの、廃棄せざるを得ない食品を、児童養護施設や障害者共同生活ホームなど、社会的な困難を抱える人々を支援する施設に配達し、これらの施設の食費負担を軽減するというものです。
また、食品メーカーと、支援施設との間に、「フードバンク関西」や「セカンドハーベストジャパン」といったNPOが介在し、円滑な食品提供をコーディネートしています。CSRを推進する際に、企業が市民団体と連携し、ともに社会的課題を解決していくことが重視されていますが、フードバンクの事例は、このような連携の好事例といえるでしょう。
「CSRといっても、何をすればいいのかわからない」という声があるかもしれませんが、そのような疑問に対しては、自らの本来業務の強みを何か社会的な課題解決につなげられないか、と検討してみることが重要ではないでしょうか。また、市民社会の側も、企業の経営活動に対し、社会的な意義付けを具体的な取組みと結び付けて提案していくことが重要でしょう。その結果として、企業の経営活動と社会的課題との接点が見出せていけるのではないでしょうか。フードバンクの取組みは、その一例を示しているといえるでしょう。
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