第一部 民間仮面のフォークロア
「民間仮面」の原型のひとつ
「血」と「神」
ネパールの仮面との出会い
「血」と「皮剥ぎ」、「毛」と「釘打ち」
呪としての「皮剥ぎ」
「まだら」の両義性
排除と帰依の構図
逆剥ぎ・肉づきの面
帰ってきた「サムトの婆」
「民間仮面」に重層するもの
修験における「火王」「水王」面
紀州の面売りがのこした尉面
「熊野の秘境」と「土佐の秘境」
「色川の七面」と「物部の七面」
「天狗」の原型
「烏」の仮面と「鼻高」の仮面
「熊野」を軸にする乱反射
第二部 三つの能 その周縁と深層
一 黒い翁
那智田楽「シテテン」の位相
水海の「あまじゃんごこ」と「阿満」
剥落した黒い「田男」の仮面
上鴨川住吉神社の「万歳楽」
「白い翁」と「黒い翁」の瞬時の対面
「千歳」と「三番叟」の謎の問答
能勢がイメージしていた仮面
「露払」は「キヨメ」の役
「キヨメ」の翁面・「田楽」の翁面
「万歳楽」「三番神」のゆがんだ面
もの言う仮面・もの言わぬ仮面
「ウソブキ面」と「ハリゴマ面」
「花祭」のなかのからかわれる翁
毛越寺延年の「老女」
二 道成寺
一九四五年八月十五日のこと
鐘の響・「鐘巻」と「道成寺」
乱拍子・身に打込まれる釘
変身・鳴ってはならぬ鐘
ねじ木・追跡をやめた女
民俗芸能のなかの「道成寺」‡@
民俗芸能のなかの「道成寺」‡A
三 弱法師
説経『しんとく』と謡曲『弱法師』
「異例」についての折口の考え
「身毒丸」のテーマの分裂
「父」の過ち・能面の斑点
「父」の大きさ・「子」としての過ち
世阿がえがいた「鬼」・変節のこと
元雅の「自殺」・世阿の「地獄」
「あとがき」にかえて